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スペシャルインタビュー

第5回:日本フットサルリーグ 育成ダイレクター:木暮 賢一郎さん

1 人でも多くの選手を日本代表チームに送り込む

★監督就任を打診されて、戸惑いはありませんでしたか?

木暮:

スペインでプレーしていたとき、身体が大きい外国の選手と互角に渡り合うためにはどうすればいいかといったことを常に考え、いろいろ工夫をしながらプレーしてきました。そうした経験を重ねるうちに視野が広がって、いつかは指導者になってフットサル界に貢献したいという気持ちが芽生えていました。自分の中でそういうイメージを持っていたので、U23選抜チームの監督就任の話を頂いたとき、すんなり受け入れることができました。

★U23 選抜チームのミッションは?

木暮:

U23選抜チームのミッションは、将来の日本代表選手の育成です。サッカー界では、U-15から日本代表選手としての心構えなどを学びながら、A代表へと進んで行きます。しかしフットサル界にはそういう仕組みがなかったので、自分たちはそういう面で大変苦労しました。ですから若い選手たちにはテクニックを教えるだけでなく、日の丸をつけて戦うことの重みや責任感などもしっかりと伝えていくつもりです。そして1人でも多くの選手を代表チームに送り込みたいですね。

★選手たちに望むことは?

木暮:

プロ選手になると、生活がドラスティックに変わります。テーピングやシューズ、ウェアなども企業がサポートしてくれるようになります。クラブによっては練習着も洗濯してもらえる所もあります。それは非常に有り難いことだし、モチベーションにもつながるんですけど、それが当たり前のことだと思ってはいけないと思うんです。そういうことをすべてサポートしてもらえるようになったとしても、感謝の気持ちを忘れずに、ピッチの外でも1人の人間として評価されるようなアスリートになってほしいですね。

フットサル選手の引退後の道筋を身を持って提示したい

★毎日、お忙しそうですね。

木暮:

U23の活動は月に数日なので、それ以外は小学生を対象とする2つのプロジェクトに参加して全国の小学校を回っています。ひとつは日本サッカー協会の「ユメセン」というプロジェクト。これは小学校に“夢先生”として出向いて、“夢教室”という授業を行って、子どもたちに夢を持つことの大切さ、仲間と協力することの大切さなどを伝える試みです。もうひとつは東日本大震災復興支援スポーツこころのプロジェクトが主催する「スポーツ笑顔の教室」。これは被災地の小学校を訪問して、子どもたちの笑顔や元気を取り戻すためのお手伝いをする試みです。平日は、ほとんどこれらの活動で全国を回っています。現役を引退して、すぐに現場の仕事をさせて頂き、しかも子どもたちと触れ合う機会も頂いているので、とても感謝しています。

★今後のビジョンについてお聞かせ下さい。

木暮:

ワールドカップに優勝できれば、フットサル界はさらなる発展を遂げることができます。個人的にも、自分が今まで取っていないタイトルがワールドカップの優勝だけなので、その実現のために尽力したいし、何らかの形で携わりたいですね。

現役時代、カズさんに「みんながグレの背中を見ている」と言われたことがあります。フットサルは歴史が浅く、自分たちの世代が切り拓いてきたので、現役を引退した選手がどのような道を歩むのかは未知数なんです。多くの選手は引退後も何らかの形でフットサルに関わりたいと思っているはずですから、そういう意味で、後輩たちにひとつの道筋を提示できればいいなと思っています。




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